「約束、覚えてくれてたんだね?」

「そうだね、でも四年越しになってしまったけど。ごめん、小春」

「いいよ、忙しかったんでしょ?覚えててくれただけで嬉しいよ」

「相変わらず小春は優しいな」

「……政宗くんにだけね」

「それは光栄なことだな」

政宗の一言一言が、小春の胸をキュンキュンさせる。

(ああ、やっぱり好きだな……)

政宗を見ていると想いが溢れそうになってしまう。それくらい、小春は政宗に恋をしている。
政宗も、小春を見ていると心があたたかくなるようだった。二人で笑い合うと、なおさら柔らかな空気に包まれるようだ。

「おーい、お二人さーん。店頭でイチャイチャするのやめてもらえますかー?」

奥から優也がニヤニヤしながら出て来て、小春は思わず両頬を抑えた。
イチャイチャだなんて、そんな風に見えたのなら光栄だが、明らかに優也はからかっているだけだ。

政宗をチラリと見ると目が合い、政宗も困ったように苦笑した。