小春は二十歳になり、成人式を迎えた。

「小春ちゃん、もう二十歳なんだって?おめでとう。はい、これ」

「わあ、何ですか?」

「心ばかりのお祝いだよ」

「えっ、いいんですか?ありがとうございます」

おにぎり屋の常連さんたちが小春の成人を聞きつけ 、プレゼント片手におにぎり屋に顔を出した。小春はありがたくいただきながら、いつも以上に笑顔で応える。

「あらやだ、小春ちゃんモテモテねぇ」

「はい、ありがたいです」

「こんなに人気者で、彼氏がヤキモチ妬いちゃうかもねぇ」

「えっ!?」

「やだぁ、照れちゃって。うふふ」

こちらも常連のご婦人が楽しそうに小春に話しかけ、小春は思わず頬を染めた。彼氏はいないけれど、そういう話は何だか恥ずかしくなってしまう。

「小春頑張ってるな~」

そんなタイミングで別の男性から声をかけられ、小春はドキッとしながらそちらを向いた。