「だから、蓮と相談して、最初から朝倉に入社させることにした。お前にとって店舗勤めは、実力が発揮できなくて歯痒いことだろう。でも、これだけは外せないんだ。いずれ経営者として、朝倉コーヒーのトップに立つためにはな。
真、俺は、その蓮譲りの才能は得難いものだと思っている。朝倉コーヒーにとってのダイヤの原石みたいな存在だと思ってるよ。」

「仁伯父さん…。
俺、俺………。そんな風に言ってくれるとは思ってなくて…。」

真くんはずっと悩んでいたんだ。
今の仕事は、確かに真面目で口数の少ない真くんには、荷が重い。接客に向いているとは思えないからね。ひょっとしたら、何も知らされずにこのまま店舗勤めを続けるには、限界だったのかもしれない…。

「兄ちゃん、俺もさ、兄ちゃんには感謝してるよ。何もしないでも、俺の資産増えていって、お陰で俺、研究に好きなだけ注ぎ込める。」

宣くん…!