「話はズレたけれど、ベリヒルホスピタルのA terraceが、朝倉コーヒーにとってフラッグシップ店で、今後の社運のかかった一大プロジェクトだということはわかるな?」

「はい。」

「社長自ら、東京に住居を構えて、ここの成功を機に、さらに事業を広げる予定でいる。
真、俺が得意なのはそれなんだ。」

「…? それ、とは?」

「事業を広げることだ。新しい事を思いついたら、即実行すること。瞬発力だけは自信があるぞ。あと企画もな。けどな、それだけじゃ、会社は長く続かない。安定して経営を存続させていくには、しっかり落ち着いて数字を見ることの出来る者の存在が必要なんだ。
幸い、俺には蓮がいた。蓮は数字に強い。デイトレーダーをしていた過去もあるくらいだ。お前の父親は、経済の先を読む力が凄いんだ。だから俺は安心して事業を広げることができた。
たしかに、花が次々とアイデアを思いつくところは俺に似ているだろう。でも、真、お前も蓮にそっくりじゃないか?」

「…まあ、今は真が兄弟の資産管理をしているくらいだからな。」

蓮叔父さん…