こうして、普段はあまり使われることのない、二間続きの和室で賑やかな晩餐が始まった。仕出しは和洋取り揃えた御祝い膳だ。ボリューム満点。まだまだ食べ盛りの宣くんも満足することだろう。


正直、このレジデンスに何故二間続きの和室? と、入居時は不思議に思っていた。間取りは自由に決めることができる。こだわったのは父だった。叔父家族も含めて、家族を大切にする父は、この状況を予知していたのかもしれない…。全員で集まっても、まだまだ余裕があるくらい広い。従兄弟達に家族が増えても大丈夫なくらいに。この部屋が近い将来、きっと沢山の親族を迎える部屋になるのだろうと思うと、今から楽しみだ。

蓮叔父さんが乾杯の音頭をとってくれ、晩餐が始まった。