「泉ちゃんは、いつくらいになるのかしら?
少し早めに夕食にしようと思っていたのよ。」

今日は人数が多いので、コンシェルジュに仕出しを頼んでいた。
まだ17時を過ぎたところ。
でも、明日の朝のことを考えたら、スタートは早い方がいい。

「泉も最後の百貨店を出たみたいだから、もうこっちに向かってるわ。待っていたらあの子が気にするから、先に始めましょう。葉子さん、何か手伝えることはありますか?」

愛先生の合図で、夕食の準備が始まった。

「だー」

仁貴はずり這いで、1番近くにいる葉子ばあばのところへ行こうとする。
突然人数が増えたから、ばあばが恋しくなったのかな。

「お父さん! 仁貴をみてて。
大人がバタバタしているから、危ないわ。」

「よーし。仁貴、仁じいちゃんと遊ぼうなー。」