「藤倉さん、お待たせしました。早速結果の方ですが、...花咲き病を患っています。」
「花咲き病......」
どんな病気なんですか、治るんですか、なんて考えていてもそれは声に出せなかった。
そんな私の心情を察したのか、医者は重々しく口を開く。
「...この病気は奇病と言われていて、発症する原因は不明...、そして進行すると共に眠りが深くなっていき...最後は亡くなられる方が多い奇病の1つです。」
「奇病......、」
「治療法はあまり知られておらず薬では治りません、治すには愛する人の温もりを知ることです」
「…………」
「...眠くなった時に眠ってしまうと段々と深くなっていくので、それを防ぐ薬を処方して出しますので、夜以外に眠くなったら飲んでくださいね。」
「...わかりました、ありがとうございます」
そういって私は病室を出た。
「花咲き病、奇病...っと......」
ボソボソと呟きながら検索画面に打ち込む。
「............」
同じ病気になる人はいるようだが、治療法はどのサイトでも同じようなことばかり。
「...最後は永遠の眠りにつく...か...、つまりは死ぬのね...」
本来は目に花が咲く病だが、稀に身体に咲くこともあるという。
私は胸部と左手首にまだ小さい蕾が綺麗に姿を現していた。
「......気持ち悪い...」
それはそうだろう、人間の身体から花が咲こうとしているのだから。
なんて、私自身の身体に起きていることなのだけれど。
本来は花そのものが皮膚から出ている様に咲くらしいが、私はそうではなかった。
刺青の様に、それでいて本物の花のように成長しているのだ。
「............」
そっと指の腹で撫でてみるが、やはりただの刺青のにしか見えない。
「...気持ち悪い」
自分の身体に起こっていることだけれど、反吐が出そうになる。
この花は私の命を水の代わりにして成長するらしい。
成長スピードは個人差があるそうで、私は比較的ゆっくりな方らしい。
元々の眠りの深さや寝付き、生活環境等諸々が関係してくるらしい。
なんて、らしいばかりの情報だけれど。
どれも確証はなく、医者がそう告げたというだけ。
事実なのだろうけど、口から出る言葉はいくらでも偽れるものだから完全に信じることは出来ない。
「...はぁぁ、帰ろ」
そう呟いて病院を後にする。
外に出ると目が痛くなりそうなくらいに自分の光を地上に届ける太陽が真上に居た。
周りに雲はなく、綺麗な晴れ空だった。
まるで頑張って咲こうとしている花に栄養を与えるように。
「花咲き病......」
どんな病気なんですか、治るんですか、なんて考えていてもそれは声に出せなかった。
そんな私の心情を察したのか、医者は重々しく口を開く。
「...この病気は奇病と言われていて、発症する原因は不明...、そして進行すると共に眠りが深くなっていき...最後は亡くなられる方が多い奇病の1つです。」
「奇病......、」
「治療法はあまり知られておらず薬では治りません、治すには愛する人の温もりを知ることです」
「…………」
「...眠くなった時に眠ってしまうと段々と深くなっていくので、それを防ぐ薬を処方して出しますので、夜以外に眠くなったら飲んでくださいね。」
「...わかりました、ありがとうございます」
そういって私は病室を出た。
「花咲き病、奇病...っと......」
ボソボソと呟きながら検索画面に打ち込む。
「............」
同じ病気になる人はいるようだが、治療法はどのサイトでも同じようなことばかり。
「...最後は永遠の眠りにつく...か...、つまりは死ぬのね...」
本来は目に花が咲く病だが、稀に身体に咲くこともあるという。
私は胸部と左手首にまだ小さい蕾が綺麗に姿を現していた。
「......気持ち悪い...」
それはそうだろう、人間の身体から花が咲こうとしているのだから。
なんて、私自身の身体に起きていることなのだけれど。
本来は花そのものが皮膚から出ている様に咲くらしいが、私はそうではなかった。
刺青の様に、それでいて本物の花のように成長しているのだ。
「............」
そっと指の腹で撫でてみるが、やはりただの刺青のにしか見えない。
「...気持ち悪い」
自分の身体に起こっていることだけれど、反吐が出そうになる。
この花は私の命を水の代わりにして成長するらしい。
成長スピードは個人差があるそうで、私は比較的ゆっくりな方らしい。
元々の眠りの深さや寝付き、生活環境等諸々が関係してくるらしい。
なんて、らしいばかりの情報だけれど。
どれも確証はなく、医者がそう告げたというだけ。
事実なのだろうけど、口から出る言葉はいくらでも偽れるものだから完全に信じることは出来ない。
「...はぁぁ、帰ろ」
そう呟いて病院を後にする。
外に出ると目が痛くなりそうなくらいに自分の光を地上に届ける太陽が真上に居た。
周りに雲はなく、綺麗な晴れ空だった。
まるで頑張って咲こうとしている花に栄養を与えるように。