裏口にある靴に履き替えて
先生に挨拶を済ませて扉を開ける。

いつも通りのはずなの帰りでいつも通りの先生との会話のはずなのに。

何故か扉を開けると同時にドキドキと胸が踊っているのが自分でもわかった。

「やばい……楽しみ」

パタンっとゆっくり閉まった扉を後ろに私は、校門へと歩き出した。


「みんな本当に待っててくれてるのかな??」

期待と不安が交差するなかゆっくりと校門へと足を進めた。


門の近くまで行くと遠くでもみてわかるくらいの良の赤髪が目立っていた。

「ごめん、お待たせ」

たぶん結構待ったと思う。
ゆっくり支度しすぎたかな……。

申し訳なさそうにいう私に、「待ってない」
と和泉ナオは頭に手を置いた。

「えー、ずるいやん!それ!俺もやりたい!」

私の頭に手を思いていることが羨ましいのか未来が喋りだす。

「未来は、ほんとに女がすきだなー!」

「本当に」

良と友紀は、その様子を呆れたような顔をして見ている。


「なんやねん!女好きちゃうわ!」

未来は、腕組みしながらプンプンと怒っている。


「さー、日暮れる前に遊びにいくぞ」
 

スッと差し出された和泉ナオの手を私は、スッとなんの躊躇いもなく掴んだ。


「うん!!」



初めての友達。
初めての放課後。
今日は、初めてのことばっかり。

それだけで嬉しくなった。