前回のデートと今回のデートで

彼の気持ちが読めず悩んだわたしは行宗に連絡していた。



『ゆーきー』


そうLINEを送ると、しばらくして電話が掛かってきた。



「もしもし」


「もしもし」


「どうした?」


「何もないけど声聞きたかっただけ」


「そっか」


「今日ね友達と話してて知ったんだけど

アキレスと亀っていう話知ってる?」


「なにそれ?」


先程彼に聞いた話を得意気に話した。


好きな人に聞いた話を元彼にするなんて

なんか変な話だけれど。



そこからたわいもない話を30分程していた。


ただわたしがふざけて、行宗が笑っている。


付き合っていた頃と変わらない状況。



「ねー、家出しておいでよ」


「どういうこと?」


「遊びに来てってこと!」


「仕事落ち着いたらね」



行宗なら癒してくれるかもしれないと

どこかで思っていたけど先の話となってしまい、

わたしの心の穴は埋まることはなかった。