あたしと航平は、小学校からの幼なじみ。

初めて出会ったのは、あたしが今の家に住むようになった日だった。



母に案内された2階の一室。

生まれて初めての自分の部屋。

ドアを開けたあたしの目に飛び込んできたのは、淡い色で統一された部屋だった。


家具類はアンティークを思わせる焦げ茶色。

そこに掛かるカーテンやベットカバーは淡いオレンジやピンク、白で統一されていて、まるで雑誌から切り抜いてきたような部屋。


あたしは凄く嬉しくて・・・

部屋の隅々まで目を通して、壊れ物を扱うように家具やカーテンに手を伸ばした。

そして、最後に部屋の中で一番気に入った、レースのカーテンが掛けられた出窓を開けた時。



1Mも離れていない隣の家の窓から、望遠鏡でこっちを覗いてた男の子。

ビックリして呆然としているあたしに、にっこり人懐っこい笑顔で手を振ってきた男の子。


それが航平。

・・・出会いは微妙。



この時。

航平はわずか7歳で、あたしの中で「変な子」だと認識された。