「それで、編入生がどうかしたの?」


一息ついて伸びをすると、あたしは温くなった紅茶を飲んで航平に話しかけた。


「あぁ、何か訳アリっぽいよ?」

「訳アリ?」


「うん」と頷きながら航平は視線を上げた。


「よし、古文終わり!」


古文のノートを閉じてあたしに返してくる。


「まぁ、話聞いてる最中に宮藤が生徒会室に呼ばれたから、よく分かんないけどさ?」


頬杖をついて、航平はちょっと複雑そうな表情をあたしに向ける。


「何か訳アリっぽくない?」

「なんで?」


あたしが首をかしげると、航平は小さく笑った。


「普通、特クラに編入生が来るからって、わざわざ生徒会長が呼び出されないでしょ?しかも、この時期に」


確かにそうだ。

この時期に編入してくるなんて、よく考えたらおかしい。


「確かにそうかも」


あたしが頷くと、航平は満足げに笑った。