バシャッと上からお湯が降ってきた。
「ご主人さま！」ぼくはびっくりした。
「まぁまぁ」とご主人さまは笑いながら、ぼくの頭に冷たい物をかけて、わしゃわしゃと手を動かし始めた。
それの気持ちよさに目をつぶる。
「気持ちいだろ？」とご主人さまに訊かれて、ぼくは頷いた。
「良かった」と嬉しそうな声がした。
　「ほら、入るぞ」ぼくはシャンプーという物をしてもらった後、ご主人さまと温泉に入った。
「わぁ！」すごく温かくて嬉しくなった。
「ご主人さま。温かいですね」と言うと、ご主人さまは、驚いた顔をして、
「風呂に入った事ないのか？」と訊かれた。
「はい。小さい時から一人で入っています。だから、シャンプーなんて知りませんでした」ぼくが言うと、ご主人さまはもっとびっくりした顔をして、
「あぁ、そうか」と空を見上げていた。