「さて、宿の通りに着いたがどの場所が良いかな」とご主人さまは言った。
「宿ですか?」
「あぁ、いつも世話になっている所にでも行くか。温泉が気持ちんだ」ご主人さまの温泉と言う言葉に反応してぼくは思い切り頷いた。
「分かった、分かった」と笑いながらご主人さまは歩を進めた。
たどり着いた場所は、小さな旅館だった。
「着いたぞ、ルシア。露の宿だ」
「つゆのやど…」訊いたことのない場所だった。
「久々に来たよ」と笑うご主人さまは、楽しそでぼくは少しだけ嬉しくなった。
内に入ると、外見とは違ってキレイな空間があった。