いつの間にか、ぼくは眠っていた。
「起きろ!」そんな声で目が覚める。
「ご主人さま」ぼくは目を見開いた。
「起きたか、ルシア」ご主人さまは、優しい顔をした。
「おはようございます。ご主人さま!」ぼくは、出かかった涙を拭い言った。
「おう、おはよう」それでもご主人さまの顔は少しだけ青白くて、悲しくなった…
「ご主人さま、体調は?」
「大丈夫だよ。安心しろ」そう言ってぼくの頭をくしゃくしゃと撫でた。
「ルシア、今日は六月町に行くぞ」と言った。