あたしはベッドサイドまで近づいていって、胸の前で両手を組んでキッと睨み返した。


「ここは保健室です! このベッドは体を休めるために使うものなんです! 淫らなことがしたいんやったらラブホでも行けば? この尻軽女! ヤマジ君から離れてよ!」


尻軽女は言いすぎたかな……。


そう思って反省した瞬間、姫子の手がシュっと風をきってあたしの頬へ振り下ろされた。


殴られるっ……!!


あたしは咄嗟に目を閉じた。



1秒……


2秒……


3秒……


いつまでも痛みを感じない頬を不思議に思って、あたしはそっと目を開けた。



そして、その目に映ったのは……