「ダメ―――! やめなさ―――い!」


あたしの声に驚いた姫子は顔を上げてこちらを見た。


――今だっ。

あたしは手にしていた枕を姫子めがけて思いっきり投げつけた。


ボスンッ!


枕は見事に姫子の顔面を直撃。


「……いったぁ……。何よ! アンタ!」


姫子は顔を真っ赤にしてあたしを睨みつけた。

やがて、その表情は軽蔑を含んだようなものに変わる。


「こっそり盗み見してたん? 信じられへん!」


「信じられへんのはそっちでしょ?」


膝がガクガクと震える。

相手は上級生だし。

だけど、ここでひるんでたまるもんか!