「ってゆー感じで、今日まで九条くんには伝えてないです…」

「…なるほど、結構な青春してたのね」

「はい…」


私の一方的な青春ですけど…

「それにしても、出会った頃のピュアピュアな彼はいったいどこに行ったんだろーね」

「うん…ほんとに」

さすがにあんなに変わってたら気付けるほうが稀だよ

はぁとため息をつくと風華が話しかけてくる


「でも九条のほうは麦があの時の子って気づいてるってことでしょ?」

「うーん…たぶん…?」

私の想像ではあの時名前を聞いてきたのはそういうことだと思っているけど…

「多分って…」

「だって特に何か言われたわけでもないし…私だって言ってないし、もうずっと前のことだよ?」

「いや、九条は覚えてると思うよ…ほぼ確実に」

「えぇ…?そうかな」