時間が0になる。鍵の開く音が聞こえる。

「スタートです、さあ行ってきて下さい」

私は恐る恐る外に出る。長い廊下だ。

またドアがある。鍵は閉まって無い。

勢いよくドアを開けた。

大きな部屋だ。無機質だ。

人もいる、10人くらいだ。

驚いた知った顔もいる。いやほとんど知っている。同じ高校の生徒だ。

「何だあいつか」そう言うのは如月カオル、金髪の男だ。あいつもほとんど学校に来ていなかった気がする。

「師走さん?」

「う、うん」

話しかけてきたのは睦月カエデだ。成績優秀で才色兼備、容姿端麗、リア充の筆頭だ。正直苦手な人種だ。目も合わせて話せない。

「元気にしてた?」

「あ、うん」

「最近学校来てなかったから心配してたんだよ」

「あ、うん、すいません」

「この後どうなるんだろうね、みんな取り敢えず生存に入れて早く終わらせようって今話してたんだよね」

「そうだよね、早くこんなとこ出たいよね、私も生存に入れるよ」

「うん、そうしよう」

また別のドアが開いた。メガネをかけた男子が出てくる。怯えた様子だった。この人も知ってる、同じ高校の人間だ。確か水無月ジュンだった気がする。