朝の登校は毎日壱と一緒だけど、帰りは一緒だったり別々だったり色々。
私が理沙子、新田ちゃんと遊んで帰ることもあれば、壱が光太郎くんたちと遊んで帰ることもある。
壱がバイトに直行なことも多いし。
今日はお互いなんの予定もないことを朝に確認しあっていたから、一緒に帰るのが普通の流れなんだけど。
昼休みから帰りのショートまで、私と壱は一言も口をきかなかった。
前から配られてくるプリントを手渡された時だって、壱は目も合わせなかった。
さすがにちょっと大人げないんじゃないの、壱。
思いながらも、言えない。
ショートが終わると、理沙子、新田ちゃん、光太郎、なっちゃんがそそくさと教卓付近に集合して、遠目から(そんない遠くないけど)私と壱を観察しているのが、視線の端に映ってむかつく。
壱は壱で、頬杖をついて窓の外を見るだけで、動かない。
私もどうしたらいいのか分からなくて、無駄に鞄のなかを整理したりしてしまう。