しかしこれは大切な幼なじみの友人たち、ここはしっかりご挨拶を…コホン。



「あ、はい、ええとわたくし…」


背筋を伸ばして、かしこまって言うと。



「なにこの子おもしろ~い」

「さすが壱の幼なじみ~」



名乗る前にもう所感を述べられてしまった。

女子集合体のスピード感。

自己紹介さえさせてもらえない。



「かわいーでしょ」



壱は壱で無表情のままマイペースに、そんなことを言う。



「「「あはははは~」」」



笑われてる笑われてるネタだと思われてる。

まあ、これくらいのことを人前で言われるのには、慣れてます。

こういう反応も、慣れてます。

かなり辱められてるけど。

不憫に思うなかれ、ちゃんと慣れてます。



まったくそれにしてもこの男はいったいどこでこういう女の子たちと知り合っているんだか。不良だな、不良。



その後もきゃっきゃと壱とのお喋りを楽しんだ女子力集合体は、私に目もくれず去っていった。