どこよ赤いUFO?ときょろきょろし続けるアホ3人を置いて、壱はすたすた自分だけ席に戻っていく。
私もげっそりして、壱の後ろの席に戻った。
「…事実なのに」
壱が前を向いたまま、頬杖をついて言うので。
「事実でもああいうのはやめてください」
私も前を向いたまま、ていうか壱の背中を見ながら言う。
「仁乃、なんか厳しい」
「周囲にああいうこと言うのはだめです」
「周囲から固めていったほうがいいかなって…」
「あの人たち固まりやすいので金輪際やめてください」
「おーい出席番号1番と2番、授業はじまっとんぞー」
いつのまにか教室に入ってきているなっちゃん(国語担当)が言った。
壱は朝と同じように右手をゆるっと挙げて。
「大事な話なんで」
「また?新学期早々、立てこんでんなお前ら。大丈夫か2番」
「ぜんっぜんです!!」
…先が思いやられすぎる。