「なになについにお2人さん、婚姻されたんすかあ?」
バスケ部のお調子者でクラスのお調子者で地球のお調子者の光太郎、やめろ輪を大きくするな。
「いや、まだだけど」
壱も真面目に答えんな!!
「「まだ?!まだ?!」」
「「まだ、と仰いますと…?!」」
理沙子と新田ちゃんが右手をマイクみたいにして、記者会見さながら壱に詰め寄る。
寸劇…?当事者(私・壱)と記者(理沙子・新田ちゃん)と野次馬(光太郎)の寸劇…?
なにも言えずに途方に暮れていると、隣の壱が。
「昨日プロポ…「うわああああああ赤いUFOだあああああっ!!!」
とんでもない単語が壱の口から飛びだしかけたから、咄嗟に叫んで廊下の向こうの窓を指さした。
「「「赤いUFO?」」」
記者と野次馬が声を揃えて、私の指さした方を見る。壱も呑気に見ている。
みんながアホで助かった…てか、壱は見なくていい、見なくていい。
壱の爆弾発言をなんとかごまかせた私に救いの手を差し伸べるように、4限のチャイムが鳴った。