私と壱の両親は共働きで、親たちが帰ってくるのが遅い時は私の家で壱がご飯を食べる…なんてことも中学の頃はよくあった。
高校に入って壱がバイトをはじめてからは、そういうのも減ったけど。
「まあ、いいけど…」
そう答えると、壱がぼそっと。
「ちょろいな」
「え?なんか言った?」
「仁乃がちょろすぎるって言った」
「なにちょろいって」
確かに簡単にOKしすぎたか…?
いやでもたかだかお弁当だし…。
「このまま実験最後までやっていいのかな…」
「SAIGO…?」
「まあいーや…」
壱が呟いた時、昼休み終了のチャイムが鳴った。