「壱、私が確認したいのはね…」


息を飲んで。


「その好きって言うのは…えっと…なんていうのかなその…アレ的な…あの…」



どう言ったらいいのか分からなくてごにょごにょ曖昧な言葉を呟く私を、泳がせるだけ泳がせてもう飽きた、みたいな顔で壱は。



「性的な意味で好きだよ」


「せ…っ?!?!?!」



強すぎる語感に言葉を失くしていると、じ、と壱が横目で私を見て。



「性的な意味で好きだよ」


「二度言うな!!!」

「大切なことなので」

「了解!分かった!!」



ああああ、壱はすごい勘違いをしてる、やっぱりすごい勘違いをしてる。


昨日とほとんど同じ展開でプチパニックになる私をよそに、壱は平然そうな顔。



はあ。どうしよう、これから。

脳みそいじられたり内臓いじられたりしないだけ、助かったと思うべきなのか…。