ウインナーをごくんと飲みこむと、私は壱の顔をまじまじと見た。


壱はもう眠たげに前を向いている。

壱くん、と呼びそうになるのを慌ててこらえて。



「壱、一応確認するけどいい?」



ん?と壱の顔がこっちを向いた。


無表情だけど、ん?と壱が聞く時、綺麗な眉はほんの少しだけ上に上がる。

前髪に隠れて今それは見えないけど。


ぐっと、眉間に皺をよせて私は言う。

すごい顔、って壱が言いたげなのを遮って。



「違ったら違うって言って」

「うん」

「壱、好きなの…?私のこと」

「うん。つーか今更?人生で何百回言ったっけ」

「そうだよねそうだよね。私もね、壱のこと好きだよ。もちろん」

「知ってる何百回も聞いた」



そう言いながら壱はまた前を向いて、ふわわと欠伸。


真面目に聞いてよ…。