眉間に皺をよせて壱を見ていると。



「食べないの」


ふい、と、私を見て言う。



「すごい顔…」


一言多い!ていうか誰のせいだ!



「あの壱くん…」


しぶしぶミニトートから自分のお弁当箱を取りだしながら言うと。



「さっきから壱くんとか呼ぶなって、ここ学校」



はー、とため息をつかれた。

ちょっと冷たいそのため息に、あ、壱が珍しく苛立ってるどうしよう、とひるんだ時。



「クるから、下半し…」

「言わないで!」



真顔で言われて、両腕でバツを大きく作り遮った。

危ない危ない、ここは学校の昼休みの中庭の牧歌的な雰囲気の平和の象徴の…。



「なに、意味分かったの?」



意外そうな顔でほんの少しだけ口元をゆるめる壱に、顔が赤くなる。


ていうか冷静に考えておかしいでしょただ壱くんって呼んだだけで、かはかはかはかはかh…!