「仁乃誕生日だからか?相原がゆるーっとエンジン全開なのは…」
理沙子が短いスカートからのぞく脚を組んで言う。
「え~?相原くんっていつもあんな感じじゃない?誕生日関係なくない?」
新田ちゃんは高い声で三つ編みの先っぽをいじって。
「そう?いつもどおりかあれ?」
理沙子に聞かれて、私は目を閉じて首を傾ける。
「わ、分かりません…」
首だけじゃなくて身体まで傾いていきそうだ。
このまま床に埋まりたい。
「え~仁乃ちゃんでも相原くんのこと分かんないとかあるの?」
かわいらしいお弁当箱の蓋を開けながら、新田ちゃんが聞く。
「珍しいよな、やっぱ相原となんかあったのかー?」
コンビニおにぎりの包装をピリピリ破りながら、理沙子が聞く。
いや~実はつい昨日ベッドに押し倒されて求婚されちゃって~やんわり拒否したら実験?することになっちゃって~
…なんて言えるか。