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ホームルームから午前中の授業を受けるとげっそり疲れた。
やっと、お昼だ…。
壱のほうを見ないようにしてミニトート片手によろよろと、教室後方の理沙子と新田ちゃんのところまで辿りつく。
既にひとつの机に集まっている2人は、笑顔で私を迎えてくれた。
「お疲れ仁乃~」
頭上におだんごを作った、少し化粧の濃い理沙子と。
「仁乃ちゃんおいでおいで」
三つ編みポニーテールに、丸いおしゃれ眼鏡をかけた新田ちゃん。
「理沙子…新田ちゃん…会いたかったよ…」
髪先を少し巻いただけのボブヘアの、なにかも平凡な私。
1年から3年までクラス替えのないこの高校で、ずっと仲良くしている3人組。
2人が用意してくれている椅子に、私はくたっと座った。
「「誕生日おめでと~」」
2人がぱちぱち手を叩いてくれるので、私は両手を合わせて感謝の意を表する。