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「優勝おめでとうございます!」

「写真撮ってください!」

「俺も!」

「私達もお願いします!」



コンテストが終了し、体育館を出ると、既に入口付近に人だかりができていた。



「これじゃ近づけないね~」

「そうだね。私も一緒に写真撮りたいよ……」



優勝して大勢の人に囲まれている詩恩を、遠く離れた場所から見守る。


まさかサプライズされるとは思ってなかった。

星くんと一緒に眺めていると、人だかりの中に見覚えのある顔が見えた。



「ねぇ……あれって、雄基さんじゃない?」

「あ、本当だ。じゃあ一緒にいるおじさんとおばさんって……」

「……ちょっと行ってくる!」



呼び止める星くんを無視して人だかりの中に飛び込む。

確か前に、親が文化祭に来てくれることになったって言ってた気が……うわっ!



「いったぁ……」



後ろの人達に押されて転倒してしまった。

急いで立ち上がろうとしたけれど、人がたくさんいて思うように立ち上がれない。


どうしよう、これじゃ近づけない……。



「……大丈夫?」