それから、私は相変わらず人見知りを発動し、彼とはなかなか話せずにいた。唯一出来たのは、大勢の部員の輪の中で彼と部員たちが話しているのを聞いていることだけ。それが精いっぱいだった。当時の私には、話しかけるという勇気がなかった。

いや、話すうちに本当の自分を知られるのが怖かったのかもしれない。

結局、ろくに話もできないまま部活に馴染んでいってしまい、余計に話すタイミングを見失った。