「美雪ちゃん。資料まとめるの、手伝うぞ?」



会長が机に置いた資料を半分抱えてくれたのは、生徒会会計の斉藤 理樹。

先輩でもあり、私の幼馴染でもある。



「理樹くん」



面倒見がよくて、いつも私を助けてくれるのが理樹くん。

穏やかで優しい内面と、スポーツで鍛え上げられた体つきは、後輩女子生徒を魅了している。

実際、クラスの女子たちが、会長派と理樹くん派で別れていたもの。

私はそれを遠くから眺めていたけれど。


理樹くんの自然な姿が好きとかなんとかって言っていた。

私も理樹くんのことは好きだけどね。

幼馴染としてだけど。



この3人の先輩に私が加わって、生徒会が成り立っている。

と、言っても私は指示されたことしか動けていないんだけどね。

彩菜先輩みたいに、率先して動けたら会長に怒られなくて済むのになぁ。



「宮野。理樹。……北澤を甘やかすな」



会長が私を睨んでいる。

その目が怖いんだって。

しかも、彩菜先輩と理樹くんまで、会長の火の粉を浴びているし。

私のせいで申し訳ない。