文化祭2日目。

クラス店も盛り上がっている中、今日の1番の盛り上がりを見せているのは“ミスコン・ミスターコン”だった。


出場者と私がステージの裏で準備をしている。


最初に、私がステージに上がって司会をするんだよね。

緊張で心臓が飛び出そうだ。

足が震えてくる。


緊張を隠せない私に、生徒会のメンバーが声をかけてくれる。



「お前なら、大丈夫だ」

「……はいっ」



体育館全体の照明が消える。

それを合図に、ミスコン・ミスターコンが始まる。


私は暗い体育館の中、ステージへ上がった。

ステージに上がったと同時に、スポットライトが私を照らす。


緊張するけど。

この場を盛り上げて楽しむんだ。


私はマイクに電源を入れる。



「文化祭2日目! 盛り上がっていますかーっ!?」



キーーーンっ!


緊張するあまり、大声を出しすぎたせいか、嫌な音が響く。


ううっ。

最初から失敗した。



「盛り上がっているよーっ!」



ステージ下から、声が響いた。


声の主はすぐに見つかった。

里穂ちゃんが、手を振って応援してくれていた。

里穂ちゃんの声に、他の生徒たちも手を振ってくれた。