目を覚ませば、私はベッドの上。

いつもと変わらない朝。


だと、思っていたけど、なんだかいつもと違う。


ベッドが硬い……?


体を起こしてみれば、見慣れない部屋。

どう見ても、男子の部屋、って感じがする。


ふと、床を見れば座布団の上で会長が寝ていた。

回らなかった頭が、急速回転を始める。


昨日、私はどこで寝たんだっけ……?

ソファに座ったあとの記憶がない。


もしかして、ここは会長の部屋……?

そろり、とカーペットに足を下ろす。


寝ている会長に近寄る。



「おはようございます……?」



あ。

会長の寝顔、初めて見た。


かわいい……。

無防備で、すーすー、寝息を立てている。



「ん……」



会長がうっすら、目を開ける。



「おはようございます」

「んー……」



寝ぼけているのかな?

ぼーっとしている姿が新鮮で、なんだか特別感。


会長がゆっくり体を起こす。


寝グセがついている。

そんな会長が愛しくて、思わず手を伸ばす。


髪に手が触れた瞬間。

思い切り引き寄せられた。

抱きしめられている私。