静かな保健室。

会長と2人きり、という空間に緊張してしまう。

何か話さなくちゃ、と思って会話のネタを探す。


お、思い浮かばない……。

ちらりと会長を見れば、視線は私に向いていて。

じっと、私を見つめる会長の姿にドキッとした。



「……体、痛いか?」



ベッド横に置いてある椅子に座っている会長。

少し身を乗り出して、私の手に触れた。


会長に触れてもらっている。

それだけで、体の痛みは吹き飛んでしまいそうだ。



「さっきよりは、痛くないです」

「そうか」



会長が私の手をぎゅっと握り締める。

その手は温かくて。

だけど、どこか冷たかった。



「守りきれなかった……」



苦しそうに呟く会長。

会長は自分自身のことを責めているのだろうか。

唇を噛んでいる会長の姿を見ると、申し訳なく感じた。


ベッドに横になっていた私は体を起こそうと、力を入れる。

だけど、体は悲鳴を上げていて、私ひとりの力じゃ起き上がれなかった。

そんな私に気がついたのか、会長はそっと私の背中に腕を回す。

痛めた背中をいたわるように、そっと支えてくれる。

無事、起き上がることができた私は会長に体を向ける。