「どこ怪我した!?」



私の体を心配してくれる会長に答えてくれたのは彩菜先輩だった。



「背中を強く打ったみたい。安静にするようにと、保健室の先生が言っていたわ」



私から彩菜先輩へと移る、会長の視線。

その目は鋭くて。

彩菜先輩を睨んでいるように見えた。


会長が、私をいじめていたのは彩菜先輩だと、疑っていたことを思い出す。

今にも、会長が彩菜先輩を責めてしまうような気がした。

そう感じたのは彩菜先輩も同じのようで。



「宮野……。お前、」



彩菜先輩を見たら、覚悟を決めた表情をしていた。

それは避けたい。

だって、彩菜先輩は何もしていないのだから。



「大丈夫です。……彩菜先輩が助けてくれたんで」



私の言葉に、驚いた表情をする会長。



「彩菜先輩が先生を呼んでくれて。助かりました」



彩菜先輩も会長同様、驚いた表情をしている。

そんな2人を見て笑わずにはいられない。

真剣な話をしているのだから、と自分に言い聞かせても笑顔があふれてしまう。