「私も……。北澤さんのことが好きよ」



その姿は、尊敬する彩菜先輩の姿で。

私たちは手を握り締めて笑い合った。


彩菜先輩の笑顔を見ることが出来てよかった。

今までみたいに、話せてよかった。


そう思って、ベッドに横たわりながら笑みを浮かべていると。


ガラガラッ!


保健室の扉が勢いよく開く音がした。



「北澤!」

「美雪ちゃん!」



その言葉と同時に、閉められていたカーテンが勢いよく開かれる。

開かれたカーテンの向こうには、額に汗を浮かべている会長と理樹くんの姿があった。



「大丈夫か!?」



会長が私に駆け寄る。

いつもの冷静さを失った会長の姿に、思わず笑ってしまう。



「階段から落ちたんだって!?」



理樹くんも駆け寄ってくれる。

その表情は『笑い事じゃない』と言っているようだった。

だけど、私は笑顔を消すことが出来なかった。


嬉しかったから。

生徒会の仲間が、こうして揃うことが出来た。

私のためにこうやって、心配してきてくれる。

それが嬉しくてたまらなかった。