「七人でメシとか、俺は人見知りだから困るんすけどね。しかも血の匂いをプンプンさせてる鬼が近くにいると来たもんだ」


舞美を睨み付け、宗司がそう言い放つ。


と、同時に三人の鬼が、ビルの壁面を駆け上がって屋上までやって来たのだ。


「……ひとつ聞かせてくれるかな、宗司くん。キミはいつから私を疑ってたの? それとも、もしかして、ただの偶然だったりする?」


三匹の鬼は舞美の周囲に集まって、ニヤニヤと勝ち誇ったような笑みを浮かべている。


よほど腕に自信があるのかと、その鬼の顔を見た宗司は、小さく首を横に振った。


「普通の鬼じゃねぇな。その顔、どこかで見たことがあると思ったら……北軍の大和田大五郎じゃねぇのか? 化け物を恐れてたのに、テメェが化け物になったかよ」


手甲鈎を装着し、頭部に角を生やした大和田が、宗司を見てクスクスと笑い始めた。


「HAHAHA! 誰かと思ったら二人掛かりじゃねぇと喧嘩も出来なかったチキン野郎じゃねぇか! 化け物? 違うね。俺は新しい力を手に入れたんだよ! テメェなんぞが100年かかっても到達出来ない超パワーをな!」


宗司は知る由もないが、後の二人も葵が南軍で戦ったことのある人物だった。