「あった……これだ。姉さんの時はソウルウェポンを出せなくてダメだったけど……灯、この像を壊せるか?」


「うん。やってみる」


小さく頷いて、風火輪を取り出した灯。


それを投げる前に、チラリと俺を見て。


「葵、家で待ってるからね」


そう言って俺と唇を重ねた。


「見せつけてくれるなよ。ほら、さっさとぶっ壊しちまえよ」


宗司に促され、像から少し離れた灯は、金色に輝く龍神像目掛けて風火輪を投げ付けた。


金網を切り裂き、龍神像に直撃した風火輪。


それは、龍神像を真っ二つに切断して、まるで金色が飛び散るように、光の粒が辺りに飛び散ったのだ。


と、同時に、風火輪も静かに消え去って。


キングを破壊するのと引き換えに、ソウルウェポンもその役目を終えて消滅したということだろうか。







『北軍のキングが破壊されました。これにより、北軍の方々のレベルは半分になります。お気をつけ下さい』






頭の中に響いたそのガイダンスが、キングを破壊したという実感を俺達に与えた。


「やったぜ灯! でも、ここからいなくなるってわけじゃないんだな。よし、光の壁まで送……」