「名鳥だけじゃないぜ。俺も相手になってやるよ。お前には、俺の元嫁をキングにされた恨みがあっからよ」


父さんだけじゃなく、タケさんもメリケンサックをはめて俺達の前に出た。


「俺もこっちに一票。若者達の未来を紡ぐ立場なのに、邪魔をしてどうするんですか。高山真治、たとえ葵の父親でも許せることと許せないことがありますよ」


結城さんに拓真、舞桜までが高山真治の前に。


「今のあんたの姿を見たら、恵梨香はどう思うかね? 葵の幸せを奪わないでって、怒るんじゃないの?」


吹雪さんがそう言った瞬間、高山真治の眉毛がピクリと動いた。


「知った口を聞くな。あんた達のその行動が、一体どんな結果をもたらすか考えたことがあるのか!」


「知らないねぇ。そうなった時に考える。俺達はずっとそうだっただろ? この街の最強クラスの人間がこれだけいるんだ。真治と言えど、勝てるはずがないと思うけど……それでもやるかい?」


「言ったはずだ。俺は殺してでも止める。それがあんた達であろうと変わりはない!」


「わからず屋め……ほら、何してんだ。俺達が足止めしておくから、お前らはさっさと雷門に向かえ」


名鳥順一と高山真治。


二人の父親の意見は平行線のまま、俺達は言われるままに路地を走り、雷門に向かった。