「よーし、その言葉に嘘はねぇな? いやあ、良かった良かった。娘に手を出された名鳥の気持ちは痛いほどわかるからよ。ここで葵がしり込みしたらどうしようかと不安だったぜ」


「全く……話の持っていき方が強引すぎませんか? 俺はずっとヒヤヒヤしてましたよ」


タケさんと結城さんが安心したように笑っているけど……ん?


ちょっと話が見えないんだけど。


一体皆は何を言ってるんだ?


「じゃあ、まずはこいつの服をどうにかしないとな。せめてもっとパリッとした服じゃないと、雰囲気も出ねぇだろ」


「ああ、それなら俺はいい店を知っている。そこに行けばいい」


「お、任せたぜ高山。早速行って、愛しの姫君を待とうぜ」


バンバンと俺の背中を叩いて、さっきとは打って変わって上機嫌のタケさん。


その後、俺はわけもわからないまま高山真治が案内する店に行き、真っ白なスーツを着させられて……そして、とある場所にやって来た。


何が何だか全くわけのわからないまま、皆はバタバタと動いて。


気付けば俺は、教会の祭壇の前で立ち尽くしていた。


長椅子には吹雪さんや拓真、舞桜に夢子、宗司、そして一緒に北軍に来た皆が座っていて、ニコニコしている。