「そうか。だったら問題ない。そんなに好きなら、すぐにでも結婚すればいい。葵と灯が結婚したら、蘭子と宗司も結婚する!」


なんかめちゃくちゃなことを言ってるぞ、大丈夫か?


「い、いや、蘭子? いいか、俺達はまだ16歳で、結婚するにはあと二年待たなきゃならないんだぞ。それが日本の法律だ」


と、俺が蘭子に教えるように話していると、杉村が呆れたようにため息をついた。


「日本の法律が通用する場所かよここが。レイプ、殺人、暴力に恐喝、恫喝、なんでもありのディストピアで、律儀に法律なんて守ろうとするんじゃねぇよ。16だろうが14だろうが、結婚くらいしてもいいんじゃねぇの?」


そう言われたら何も反論出来ない。


確かにこの街では、守るべきルールはあるけれど、それは法律じゃない。


だけど、すぐにというのは急ぎすぎじゃないかな。


「なんだ? やっぱり嫌なのか? 口だけなのか葵は。もっと遊びたいのか?」


「く、口だけじゃないし! てか、なんでそんなに食ってかかるんだよ蘭子は! 俺は、灯が良ければ今すぐにでも結婚するつもりだっての!」


俺が少し怒り気味にそう言うと、蘭子はニカッと笑った。