何とかポーンを撃退することができた。


流石にここに集まっていた人達は、とんでもなく強い人達だけあって、死者は出なかったようだ。


そんな中で、俺がPBSを開いてみると、武器に「進化」の文字が。


レベル上限の70に達して、さらに今のルークを倒したことで条件を満たせたようだ。


それも、日本刀とトンファー、両方だ。


武器を両方進化させると、武器の名前に変化があった。


トンファーの名前が「双竜旋棍」に、そして日本刀の名前が「大和守安定(やまとのかみやすさだ)」となっていたのだ。


スキルに特に変化はなく、当分新しいスキルは覚えられそうにない。


「それは……そうか、やはり葵か。その大和守安定は、俺が『ヴァルハラ』で使っていた日本刀だ。NW(ネームドウェポン)と呼ばれていた、他とは一線を画す武器だが……この街ではどういう扱いなのかよくわからないな」


「これが……結城さんが使っていた。確かに、さっきまでとは違う凄みがある」


日本刀を抜き、それをじっくりと眺めてみる。


「いやはや。とんでもない邪魔者が入ってしもたが、葵少年。そろそろ北軍に向かった方がええんと違うか? 行くつもりやったんやろ?」


美しい刀身に見惚れていると、大和さんが思い出したかのようにそう言った。


「え? いや、あの……なんで俺が北軍に行こうとしてたって知ってるんですか?」