両手を顔まで上げ、悶絶するルーク。


今まで以上に揺れて、落ちないようにバランスを保つのがやっとだ。


そんな俺に、カラオケ店の七階から真っ赤な球体が飛んで来た。


それは、日本刀に当たると、刀身を包むように真っ赤になって。


軽く振ると、炎が現れる。


「これは……魔法? ひなたか!」


直接は戦えなくても、サポートしてくれる仲間がいる。


それは……とても心強い。


「吹っ飛べルーク! 人間を舐めるなよ!」


起爆のさせ方がわからないなら、直接爆発させる!


縦に並んだ爆弾に、炎の斬撃を放った直後。


爆炎と共に、岩が粉々に吹き飛び、悶えるルークがバランスを崩して両国側によろめいた。


「今や! 任せたで篠田さん! そのまま倒してしまうんや!」


「任されたぜ! 食らえよ! 白虎咬牙撃!」


大和さんの合図と同時に、ルークの足に攻撃を仕掛けたタケさん。


それに足をすくわれたのか、ルークがビルを巻き込みながら転倒した。


「結城さん! 葵少年! そこの車の上に乗るんや! 最後の一撃を決められるんは、お前らしかおらん!」


大和さんが指差した軽自動車。


最後の一撃を決めろと言う割に、なぜ軽自動車かはわからないけど、大和さんのことだ、何か策があるのだろう。