日本刀を掲げて、ルークの首に近付いた。


普通に攻撃しても、意味がないのは明白。


だったら……攻撃が通るまでこの岩を削いでやる!


一撃必殺で斬れないものはない!


首に対して垂直方向に日本刀を振り下ろしても意味がないから、首と水平に、岩を削ぎ落とすように日本刀を振り下ろすというのが俺が辿り着いた答えだ。


分厚かった岩が、俺の攻撃によって少しずつ削れて行く。


「お兄ちゃん! 私もやる!」


「足元は篠田さんに任せて、俺達は上半身をやるぞ! まずはこいつを転ばせる!」


首の岩を削いでいると、舞桜と拓真も合流して。


地上では、拓真が言う通り、タケさんや蘭子がルークの足を重点的に攻撃していた。


「舞桜……拓真……わかった! 聞いたな葵! 俺達がルークの攻撃を引き付ける! お前が血路を開け! ルークを倒すことが出来る道を!」


ルークの腕を蹴ってビルに、そしてビルの壁面を蹴って再びルークへと、まるで忍者のように飛び回ってルークを翻弄する三人。


「血路を開けったって……少しずつ削いでるだけじゃ間に合わないぞ。どうする」


揺れるルークの肩に乗りながら、必死に頭を悩ませた俺は……ある物に気付いた。