「う、うおっ! 危なっ!」


まるで隕石が降って来たかのような恐ろしい攻撃。


その場で飛び上がり手を回避した直後、すぐに右手が動いて、今度は左肩の結城さんを叩き潰そうと振り下ろされた。


ガンッという、岩と岩がぶつかる音を聞きながら、再び肩に着地して、ルークの首へと走る。


普通の攻撃では、この岩の下にある本体には届かない。


隙間を狙うにしても、武器の長さが足りないかもしれない。


こんな状況で、結城さんはどうやって戦おうって言うんだ?


「いや、待てよ? 俺の一撃必殺ではこの岩も簡単に切断出来た。でも岩が厚すぎて本体までは届かない。だったら……」


首の岩を触りながら、必死に考えていた俺が到達した一つの答え。


それを実行しようとした時、足元がグラリと揺れて、バランスを崩した俺は足を滑らせて、肩から落下してしまったのだ。


全然離れようとしない俺達にイラついたのか、ルークが身体全体を揺すったようで。


どうやってこの岩の装甲を乗り越えるかを考えていた俺が、それに気を取られた一瞬の隙に。


空中に放り出されて、正面から迫るルークの左手を見ながら……。


「あ、ヤバい」


小さく、そう呟くことしか出来なかった。