「葵! お前も俺の真似をしろ! それが出来るのはお前しかいない!」


ブンブン振り回すルークの腕を避けながら、結城さんがルークの身体の上を器用に移動して攻撃を仕掛けている。


少しずつではあるけど、この周囲にいた人達の遠距離攻撃も始まり、遠くから矢が飛んできている。


「こ、これを避けながらやるって? 冗談きついよ結城さん!」


愚痴を吐きながら、起き上がろうとしているルークの身体を駆け上がり、結城さんとは反対の右肩まで到達した。


グラグラと揺れる足場での、巨大な鬼、ルークとの戦い。


「首の岩を剥がすぞ! いくらルークでも、首を斬られれば生きてはいられない!」


「それは良いんですけど……今は魔刻ですよね!? 倒してもいずれ復活するんじゃないですか!?」


「だったら今死にたいのか!? 死にたくなければやるしかないだろ!」


結局、ルークを倒したところで一時の足止めにしかならないと言うことか。


「グオオオオオオオオオオッ! ユルサン! ユルサレンゾ!」


また鼓膜が破れそうな大咆哮。


そして、肩に乗っている結城さんと俺を叩き潰そうと、ルークの右手が振り下ろされた。