いくら分身だから大丈夫だと言われても、目の前で叩き潰されるのは気持ちの良いものじゃない。


だけど……助かった!


「ええか! 遠距離部隊はルークから50mは離れて戦え! こいつの足なら50mなんか5歩やからな! 距離を取れ! 腕に自信がないやつは近付くな! ワシらで倒すで! 各軍の猛者がおるんや、絶対やれる!」


PBSで通信しているのか、大和さんの怒号が響く。


あまりに突然の襲来で、こちらの準備が整っていないにも関わらず、現状で最善の行動を模索する姿は尊敬するよ。


腹部の岩に着地し、見上げてみると……もう殆ど岩山と区別がつかない。


こんな巨体のどこを攻撃すれば良いのかわからずに、日本刀を岩に突き立てて見るものの……表面で弾かれて僅かに岩が削られただけだ。


やはり一撃必殺で切断するしか有効打は与えられないか。


「一気に攻めるぞ! こいつの岩の隙間を狙え! 起き上がる前に仕留めるんだ!」


「懐かしいもんだなこいつも! まあ、全然嬉しくねぇけどよ!」


結城さん、拓真、舞桜……さっき三階にいた人達が外に飛び出して、ルークに飛び掛かる。


「ヴァルハラ」や「バベル」にもルークがいたのなら、結城さん達の方が俺よりも戦いに慣れているだろう。