ビルにもたれかかって倒れているルークの顔に、タケさんが容赦なく攻撃を仕掛ける。


もしかしてタケさん一人でもやれるんじゃないかと思うくらいに一方的な展開だけど……油断は出来ない！


日本刀をかざしたまま、溜めからの一撃必殺。


ルークにどれほど効果があるのかはわからないけれど、その岩石のような身体の一部、腕目掛けて日本刀を振り下ろした。


刀身、約1m。


岩石のような身体をプリンのように斬り裂いたけれど……その切断面は本当に岩のようで、ダメージがあるのかどうかもわからなかったのだ。


「な、なんだこれ……皮膚じゃない……岩？」


落下しながらそれを見ていたけれど……ルークの右腕が上がり、俺に影を落とした。


その一瞬の隙を狙われたのか、それとも偶然かはわからないけれど、回避出来る距離じゃない！


死を覚悟した時だった。


「やれやれ、油断大敵ですよあやせくん！」


千桜さんが突然現れて、俺をルークの身体の方に蹴り飛ばしたのだ。


俺の代わりにルークの右手に叩き潰される千桜さん。


しかしそれは分身の一人で……三階の割れた窓から、親指を立ててドヤる千桜さんの姿があった。