上下左右、全方位からタケさんを蹴り続け、日本刀で斬り続ける。


緑川には効いたこの技も、高山真治が相手では全く効果がなかった。


それどころか、初見で真似をして、俺の技よりも強力な「紅蓮落華閃」なんて技を見せ付けられたんだ。


「まだだ! まだまだ速度を上げろ! 限界まで! これ以上速度が上がらないギリギリまで!」


タケさんほど強くなければ、もうとっくに死んでいるくらいに斬り付けているのに、全く倒れる気配がない!


いや、それどころか、血まみれになりながらも拳に力を溜めている!


また白虎咬牙撃を放つつもりか!?


だけど、いくらタケさんでも、この速度は捉えられまい!


「鬱陶しい! 玄武爆殺掌(げんぶばくさつしょう)!」


そう思っていたのに、タケさんが手を広げ、その手で床を叩き付けると、ボコンと床が凹み、そして強烈な衝撃波が俺を襲ったのだ。


「何っ!?」


あっさりと吹っ飛ばされて、攻撃もここで終わり……と、普通ならそうなるだろうけど。


俺は空中を蹴り、再びタケさんに向かって飛んだ。


ほんの一瞬だけ攻撃の隙間が生じた。


だがそれは、タケさんクラスの人だと、体勢を立て直すには十分な時間だった。