「ヘイヘイ! タケさんそりゃ無茶ってもんだぜ! いくら何でもタケさんに勝てるわけがねぇだろ!」


「そう思うなら、お前ら全員束になってかかって来ても良いんだぜ? やるかやらねぇか……なんて聞いてねぇ。俺に勝つか負けるかだ」


相変わらず、有無を言わさないんだな。


俺としては、話が終わったならすぐにでも北軍に向かいたいんだけど。


「一応、礼を言っておくぜ。お前と昴が殺してくれなかったら、俺はずっと津堂の操り人形だったわけだからな。でもよ、それはそれで腹が立つじゃねぇか。俺がこんなガキに負けたのかと思うとよ!」


ステージの前まで歩いて、振り返ると同時にボトルを足元に投げ付けた。


地面に当たったボトルは砕け、辺りに飛び散る。


そして、タケさんの拳にはやけに禍々しい形のメリケンサックが握られていて……津堂に操られていた時とは違う、さらに強くなっているのだということがわかった。


「それは……俺への嫉妬ですか? それとも最強の男のプライドですか?」


「決まってんだろ。俺のわがままだよ!」


俺を睨み付けたタケさんの顔が、いきなり若々しいものへと変わった。


これは……千桜さんが若返った「フラッシュバック」と同じか!?